第2章 武力攻撃事態等への対処のための手続等(第9条―第20条)/武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律


(平成十五年六月十三日法律第79号)

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   第2章 武力攻撃事態等への対処のための手続等

(対処基本方針)
第9条  政府は、武力攻撃事態等に至ったときは、武力攻撃事態等への対処に関する基本的な方針(以下「対処基本方針」という。)を定めるものとする。
 対処基本方針に定める事項は、次のとおりとする。
 武力攻撃事態であること又は武力攻撃予測事態であることの認定及び当該認定の前提となった事実
 当該武力攻撃事態等への対処に関する全般的な方針
 対処措置に関する重要事項
 武力攻撃事態においては、対処基本方針には、前項第3号に定める事項として、次に掲げる内閣総理大臣の承認を行う場合はその旨を記載しなければならない。
 防衛庁長官が自衛隊法(昭和二十九年法律第165号)第70条第1項又は第8項の規定に基づき発する同条第1項第1号に定める防衛招集命令書による防衛招集命令に関して同項又は同条第8項の規定により内閣総理大臣が行う承認
 防衛庁長官が自衛隊法第75条の4第1項又は第6項の規定に基づき発する同条第1項第1号に定める防衛招集命令書による防衛招集命令に関して同項又は同条第6項の規定により内閣総理大臣が行う承認
 防衛庁長官が自衛隊法第77条の規定に基づき発する防衛出動待機命令に関して同条の規定により内閣総理大臣が行う承認
 防衛庁長官が自衛隊法第77条の2の規定に基づき命ずる防御施設構築の措置に関して同条の規定により内閣総理大臣が行う承認
 武力攻撃事態においては、対処基本方針には、前項に定めるもののほか、第2項第3号に定める事項として、第1号に掲げる内閣総理大臣が行う国会の承認(衆議院が解散されているときは、日本国憲法第54条に規定する緊急集会による参議院の承認。以下この条において同じ。)の求めを行う場合にあってはその旨を、内閣総理大臣が第2号に掲げる防衛出動を命ずる場合にあってはその旨を記載しなければならない。ただし、同号に掲げる防衛出動を命ずる旨の記載は、特に緊急の必要があり事前に国会の承認を得るいとまがない場合でなければ、することができない。
 内閣総理大臣が防衛出動を命ずることについての自衛隊法第76条第1項の規定に基づく国会の承認の求め
 自衛隊法第76条第1項の規定に基づき内閣総理大臣が命ずる防衛出動
 武力攻撃予測事態においては、対処基本方針には、第2項第3号に定める事項として、次に掲げる内閣総理大臣の承認を行う場合はその旨を記載しなければならない。
 防衛庁長官が自衛隊法第70条第1項又は第8項の規定に基づき発する同条第1項第1号に定める防衛招集命令書による防衛招集命令(事態が緊迫し、同法第76条第1項の規定による防衛出動命令が発せられることが予測される場合に係るものに限る。)に関して同法第70条第1項又は第8項の規定により内閣総理大臣が行う承認
 防衛庁長官が自衛隊法第75条の4第1項又は第6項の規定に基づき発する同条第1項第1号に定める防衛招集命令書による防衛招集命令(事態が緊迫し、同法第76条第1項の規定による防衛出動命令が発せられることが予測される場合に係るものに限る。)に関して同法第75条の4第1項又は第6項の規定により内閣総理大臣が行う承認
 防衛庁長官が自衛隊法第77条の規定に基づき発する防衛出動待機命令に関して同条の規定により内閣総理大臣が行う承認
 防衛庁長官が自衛隊法第77条の2の規定に基づき命ずる防御施設構築の措置に関して同条の規定により内閣総理大臣が行う承認
 内閣総理大臣は、対処基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
 内閣総理大臣は、前項の閣議の決定があったときは、直ちに、対処基本方針(第4項第1号に規定する国会の承認の求めに関する部分を除く。)につき、国会の承認を求めなければならない。
 内閣総理大臣は、第6項の閣議の決定があったときは、直ちに、対処基本方針を公示してその周知を図らなければならない。
 内閣総理大臣は、第7項の規定に基づく対処基本方針の承認があったときは、直ちに、その旨を公示しなければならない。
10  第4項第1号に規定する防衛出動を命ずることについての承認の求めに係る国会の承認が得られたときは、対処基本方針を変更して、これに当該承認に係る防衛出動を命ずる旨を記載するものとする。
11  第7項の規定に基づく対処基本方針の承認の求めに対し、不承認の議決があったときは、当該議決に係る対処措置は、速やかに、終了されなければならない。この場合において、内閣総理大臣は、第4項第2号に規定する防衛出動を命じた自衛隊については、直ちに撤収を命じなければならない。
12  内閣総理大臣は、対処措置を実施するに当たり、対処基本方針に基づいて、内閣を代表して行政各部を指揮監督する。
13  第6項から第9項まで及び第11項の規定は、対処基本方針の変更について準用する。ただし、第10項の規定に基づく変更及び対処措置を構成する措置の終了を内容とする変更については、第7項、第9項及び第11項の規定は、この限りでない。
14  内閣総理大臣は、対処措置を実施する必要がなくなったと認めるとき又は国会が対処措置を終了すべきことを議決したときは、対処基本方針の廃止につき、閣議の決定を求めなければならない。
15  内閣総理大臣は、前項の閣議の決定があったときは、速やかに、対処基本方針が廃止された旨及び対処基本方針に定める対処措置の結果を国会に報告するとともに、これを公示しなければならない。

(対策本部の設置)
第10条  内閣総理大臣は、対処基本方針が定められたときは、当該対処基本方針に係る対処措置の実施を推進するため、内閣法(昭和二十二年法律第5号)第12条第4項の規定にかかわらず、閣議にかけて、臨時に内閣に武力攻撃事態等対策本部(以下「対策本部」という。)を設置するものとする。
 内閣総理大臣は、対策本部を置いたときは、当該対策本部の名称並びに設置の場所及び期間を国会に報告するとともに、これを公示しなければならない。

(対策本部の組織)
第11条  対策本部の長は、武力攻撃事態等対策本部長(以下「対策本部長」という。)とし、内閣総理大臣(内閣総理大臣に事故があるときは、そのあらかじめ指名する国務大臣)をもって充てる。
 対策本部長は、対策本部の事務を総括し、所部の職員を指揮監督する。
 対策本部に、武力攻撃事態等対策副本部長(以下「対策副本部長」という。)、武力攻撃事態等対策本部員(以下「対策本部員」という。)その他の職員を置く。
 対策副本部長は、国務大臣をもって充てる。
 対策副本部長は、対策本部長を助け、対策本部長に事故があるときは、その職務を代理する。対策副本部長が二人以上置かれている場合にあっては、あらかじめ対策本部長が定めた順序で、その職務を代理する。
 対策本部員は、対策本部長及び対策副本部長以外のすべての国務大臣をもって充てる。この場合において、国務大臣が不在のときは、そのあらかじめ指名する副大臣(内閣官房副長官又は法律で国務大臣をもってその長に充てることと定められている各庁の副長官を含む。)がその職務を代行することができる。
 対策副本部長及び対策本部員以外の対策本部の職員は、内閣官房の職員、指定行政機関の長(国務大臣を除く。)その他の職員又は関係する指定地方行政機関の長その他の職員のうちから、内閣総理大臣が任命する。

(対策本部の所掌事務)
第12条  対策本部は、次に掲げる事務をつかさどる。
 指定行政機関、地方公共団体及び指定公共機関が実施する対処措置に関する対処基本方針に基づく総合的な推進に関すること。
 前号に掲げるもののほか、法令の規定によりその権限に属する事務

(指定行政機関の長の権限の委任)
第13条  指定行政機関の長(当該指定行政機関が内閣府設置法第49条第1項若しくは第2項若しくは国家行政組織法第3条第2項の委員会若しくは第2条第4号ロに掲げる機関又は同号ニに掲げる機関のうち合議制のものである場合にあっては、当該指定行政機関。次項において同じ。)は、対策本部が設置されたときは、対処措置を実施するため必要な権限の全部又は一部を当該対策本部の職員である当該指定行政機関の職員又は当該指定地方行政機関の長若しくはその職員に委任することができる。
 指定行政機関の長は、前項の規定による委任をしたときは、直ちに、その旨を公示しなければならない。

第14条  未施行

第15条  未施行

第16条  未施行

(安全の確保)
第17条  政府は、地方公共団体及び指定公共機関が実施する対処措置について、その内容に応じ、安全の確保に配慮しなければならない。

(国際連合安全保障理事会への報告)
第18条  政府は、国際連合憲章第51条及び日米安保条約第5条第2項の規定に従って、武力攻撃の排除に当たって我が国が講じた措置について、直ちに国際連合安全保障理事会に報告しなければならない。

(対策本部の廃止)
第19条  対策本部は、対処基本方針が廃止されたときに、廃止されるものとする。
 内閣総理大臣は、対策本部が廃止されたときは、直ちに、その旨を公示しなければならない。

(主任の大臣)
第20条  対策本部に係る事項については、内閣法にいう主任の大臣は、内閣総理大臣とする。

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